とても面白い本を読みました。小崎恭弘さんの「思春期男子の育て方」という本です。
思春期がとっくに終わっている(・・・はず)の私にとっては、笑いながら読める本でしたが、今まさに自分の子供が思春期男子の子供だという状況だと、なかなか苦労なさっていることと思います。
今回はこの本と私自身の思春期の過ごし方から思春期男子の接し方に戸惑う親御さんへヒントを伝えます。
思春期男子への接し方とは
思春期に入った男子は本人のそのつもりがなくても、周囲の人からすると以前とは全く違った生き物のように見えて、戸惑うことも多いでしょう。
食事の量も目に見えて増えますし、声変わりもおきます。家族の間で仲良く今日一日の出来事を話し合っていた風景はどこへやら。何か聞いても「別に~」とか「まぁ、普通」で流されます。
自分の子供が思春期になったら、これまでの接し方とは自分の考えを変えなければなりません。
親離れという言葉がありますが、親としても子離れをしなければなりません。「あんなに素直だった子が…」と嘆くよりも「立派に成長してきてる!」と思って自分の子供であると同時に一人の大人になろうとしている人間として接してあげてください。
思春期の男子が考えていることは?
思春期の男子は色んな事に興味が出てきます。しかし、ものすごく真剣に何か考えていたり悩んでいたりする時もあれば、そんなくだらないことを考えてるの!?とあきれてしまう時もあります。
体が大きくなり反抗的な態度を取り始めるとなんだか急にものすごく大人になったような気になりますが、本人にその自覚はないです。
私も高校生の時に「生きるとは?アイデンティティとは?」ということを恥ずかしげもなく考えたり喋ったりするときもあれば、「おやつ食べたい」「ポケモン(のゲームで)何捕まえよう?」「眠い」という単純な思考で動いていることもたくさんありました。
考えていることも自分の感情も本人でさえまともにコントロールできないのが思春期です。こうした子供の変化にこれまで通りの接し方をすると「うぜえ…」と返されてしまうこともあるでしょう。
親から見れば些細なことでも子供にとっては重要なことです。そこを親の目線で「そんなどうでもいいことやってないで、勉強しなさい!」なんて言われると、思春期男子も表面的には反抗しながら心の中で落ち込みます。
思春期に入った男子への受け入れてほしい変化
思春期の男子の変化でぜひ親御さんに受け入れてほしい変化があります。
まず一つは好きな女の子が出来るということ。通っている学校のクラスの女の子からテレビの中のアイドルまで、対象は様々ですが、女の子のことが気になる年頃になってきます。
子供側も女の子への興味をオープンにすることはないので、コソコソと自分だけの世界で興味を育てていくことが多いです。こうした変化を見つけたときはショックを受けてしまうかもしれませんが、真っ向から否定したり、嫌悪感を示したりしないで成長の一つとして受け止めてください。ただし、まだまだ子供の面もあります。行き過ぎていると感じたらしっかりと自制させることも大事なことです。
もう1つは『素直になれない』ことです。思春期の男子は基本的に素直に物事を表現するのが苦手です。
「ほっといてよ!」という言葉の裏側には「今はそっとしておいてほしいけど基本的には興味を持って接してきてほしい」というなんともピュアなメッセージが込められています。この心の声を実際に口に出してくれれば、なんともいじらしくてかわいいですが、残念ながらほぼ100%ありません(笑)
なんだかんだ言っても思春期男子はお父さん、お母さんのことは大好きですし、大切にしたいと思ってます。でも、思春期の時にその気持ちを表現することは期待できません。
まとめ:それでもやっぱり家族の存在は大事
部活ではキビキビと後輩を指導し、先生の言うことに「はいっ!」と答える姿も家に帰れば、とても同一人物に見えないほどのグータラになることもあります。でも、これは家族にいい意味で気を使わないからこそできることであり、家族に甘えられるからこそできることです。
家族の存在はやっぱり安心できる存在です。心を許しているからこそ、甘えられることもあるし、間違ったことをしそうなときには、メッセージを子供の心に届けられる一番近い位置にいます。
思春期男子とうまくやっていくための適切な距離感を探して、たくましく成長していく様を見守ってほしいと思います。