お正月といえばおせち料理です。
今はデパートでおせちセットを買ったり、あらかじめ調理されたお惣菜をうまく組み合わせて食べるという家庭も多いですが、どんな作り方をしてもやはりおせち料理には定番のおかずが入っています。
今回はお正月に食べるおせちやお雑煮の意味を子どもにもわかるように伝えるにはどうすればいいかご紹介していきます。
おせちの意味を子供向けに伝えよう!
そもそもなぜお正月におせち料理を作るのでしょうか?
普段お料理や家事で忙しいお母さんのために、お正月の間中食べられる料理を揃えたおせちを食べるようになったという心温まるストーリーもありますが、文化的にはまた別の由来があります。
おせちは漢字で書くと「お節」と書きます。このお節という言葉は、一年の節目のタイミングで神様へ感謝してお供え物をささげて神様と一緒にご飯を頂く「節句(せっく)」という言葉から来ています。
余り耳慣れない言葉かもしれませんが、お子様がいる方は5月5日が子供の日というだけでなく、『端午(たんご)の節句』と呼ばれていることを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
節句は実は年に5回ほどあるので、それらすべてが「おせち料理」になるのですが、特にお正月は一番大事な節目なので、おせち文化が色濃く残って今に伝わっています。
子どもに伝える時はこんな感じです。
おせちに入っているおかずに込められた意味は?
お正月にたべるおせち料理には、色とりどりのおかずが入っていますね。子どもにはあんまり受けの良くないものも入っていますが、それぞれのおかずにはちゃんと意味があるので、ぜひ伝えてあげてくださいね。
- 三つ肴~黒豆~
- 三つ肴~田作り~
- 三つ肴~数の子~
- 栗きんとん
- かまぼこ
- エビ
- タイ
- 昆布巻き
- 伊達巻き
- れんこん
黒豆、田作り(イワシの干したもの)、数の子のことを三つ肴(みつざかな)といいお節に欠かせない3品とされています。黒豆は、丈夫や健康という意味がこめられています。また、マメに働くことが出来るようにというしゃれっ気も込められています。
田作りは、ごまめとも言います。漢字で書くと五万米と書くように、このごまめを田んぼにまくことで稲が豊かに実ったことから、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を表しています。
数の子は、数の子のもとであるニシンが卵をたくさん産むことから子孫繁栄の意味が込められています。また、ニシンを二親と漢字で当て字にして、子どもの親も健康で実り多い一年になりますようにという意味もあります。
栗きんとんは漢字で書くと栗金団と書き、金団とは金の塊という意味です。お金がたまりますようにという意味が込められています。
半円型に切りそろえて出されることの多いかまぼこ。日の出の形に似ていることから、新年の門出を祝う意味があります。
エビの形がクネッと曲がっていることからエビのように腰が曲がるまで長生きできますようにという縁起をかついでいます。これはそのまま伝えてもわかると思います。
これはただのシャレです。めでタイというやつですね。
昆布巻きの昆布は子生婦と当て字をして、子宝を願っています。あと、よろこぶの語呂合わせにもなっていますね。
くるくると巻物のような形をしている伊達巻き。甘くて子供にも大人気ですね。伊達巻きは昔書物だった巻物に似ていることから、知識が身に付きますようにという願いが込められています。
れんこんは、その穴の開いた形からこれから先も見通しが立ちますようにという願いが込められています。
お雑煮に込められた意味は?
おせちと並んでお正月の食卓に並ぶものと言えば、お雑煮。
お雑煮は地域ごとによっても味が違いますし、その家庭によっても味付けが違うのがとても面白いですよね。関東ではすまし汁のようなあっさりした味付け、関西ではお味噌を入れた味噌雑煮など薄い味付け、濃い味付けの所から、東北の方では小豆汁にお餅を入れたぜんざい風のお雑煮にするなど多種多様です。
お雑煮を食べる意味は、そもそもこうしたハレの日(おめでたい日)のごちそうにはお餅を食べるという古くからの慣習が影響しています。また、正月飾りの意味でも紹介したように、鏡餅などには年神様の魂が宿るといわれており、神様にお供えしたお餅をみんなで分け合って食べるという意味が込められています。
今でこそ関東の方では主に切り餅をお雑煮に入れて、関西では主に丸餅を入れるというような地域差がありますが、本来の意味では神様が宿る鏡餅を食べることから丸餅を食べることが一般的でした。
お雑煮を食べる意味を子供に伝える時はこんな感じで伝えましょう。
また、地域によって色んな味のお雑煮があることを教えてあげると子供の好奇心もより刺激されていいですね。
まとめ
今回は、お正月に食べるおせち料理やお雑煮の意味を子どもにもわかる視点でご紹介しました。
私も子供の時はおせちに入っている料理はあんまり好きじゃなかったので、なんでこんなの食べなきゃいけないんだろうと思っていましたが、子どもの時にこうした意味が込められたと教えてもらってからは、一口は食べてみようという気になりました。
そうすると不思議なことにおせち料理が段々好きになるんですよね。
一品ごとに色々な意味や願いが込められているおせち。意味を知りながら食べるのもおせち料理の醍醐味です。
このほかにも、正月飾りの意味や初夢、初詣の意味など子どもに伝えることでよりお正月を深く楽しめることも記事しましたので、よければご覧になってください。