会社に入ってくる新入社員はこれからどんな風に成長して、戦力になってくれるかと期待半分、不安半分な気持ちになりますね。
ただ、指導する側が思っているよりヤキモキさせてくれるのも新入社員。
「なんでそんなことも出来ないの?」「なんでそんなに効率が悪いの?」と頭を抱えてしまうことも。
思ったようにいかない新入社員の指導はどうすればいいのでしょうか?
新入社員の指導が悩みの種に
新入社員は戦力にならないのは当たり前。
頭ではわかっていても、戦力になるならない以前に「もっとやれることあるでしょ~!」と思ってしまう場面もたくさんありますね。
そもそも挨拶ができない。
先輩や上司に気を遣うそぶりもない。
教えたことを覚えるつもりがあるのかわからない。
口だけは一人前。
叱ったりするとすぐに拗ねたりしてやりにくい。
などなど、「自分が新人の時はもっと可愛げがあったのになぁ…」なんて思わずため息をついてしまう人もいるはず。
なんとか1人前にしたいと思うものの、疲れちゃいますよね。
ただ、新入社員も一人の人間。
今日より明日少しずつ成長することはあっても、明日いきなりこちらが見違えるほど人が変わっていくわけではありません。
大変ですが、粘り強く指導していく心づもりは持っておきましょう。
そのうえで、部下を指導するときにイライラすることの一つである「何度も同じことを繰り返す」部下の対処を取り上げてみたいと思います。
同じことを繰り返す部下にどう接する?
何度も同じミスを繰り返す。
何回言ってもうまく仕事のスキルを身に着けてくれない。
わからなかったら聞いてと言ったけど、何回も同じことを聞いてくる。
などなど、この何度も同じことを繰り返してしまうのは、新入社員にはよく見られます。
私も新入社員を指導した時に「う~ん」と首をひねったことが何回もあります。
この状況に陥った時、まず行いたいのは本人が同じことを繰り返していることに対して、どれくらい自覚があるのかということ。
「同じことを繰り返してしまい、申し訳ないとは思うものの、どうしても同じことを繰り返してしまう」のか、「自分にとっては同じことを繰り返しているつもりはなく、初めてでわからないからこその行動になっている」のか、どちらかで対応も変わってきます。
「また同じことを繰り返しているけどどう思ってるの?」
と直接的に聞くのはNG。こういう聞き方をすると大抵言い訳して本当の気持ちが出て来ないことが多いです。
私がこれまで使ってきた言葉の中で効果があったのは「これからよりうまく仕事を進めるためにどうすればいいと思う?」です。
あくまで今の仕事を認めた風にして、改善点を本人から話させるのがベスト。
ここで「何度も同じことを繰り返してしまうので…」という自覚からの改善点が出てくるか、全く的外れの改善点が出てくるかで違ってきます。
自覚が合って本人なりの改善策があるのであれば、その改善策を尊重したほうが成長につながります。
ただし、新入社員の多くは改善策を「ミスしないように何度も確認する」など具体性に乏しいことが多いので、改善策をより具体策に落とし込む助言は惜しみなくするようにしましょう。
そして、同じことを繰り返している自覚がない場合は、具体的にどんなミスをしているか指摘しつつ、「そのミスがあるせいでもったいない。いかにも惜しい!」という感じで伝えていきます。
例えば「この前も電話口で恐れ入りますや申し訳ございませんの代わりに、すいませんを連発していたけど、○○君って普段は聞き取りやすい声をしているからそのすみませんを繰り返すことを改善できれば、電話対応も一気に上手く聞こえると思うな~。そう思わない?」という感じでマイナスの指摘をする時はプラスの指摘も合わせると、よりやる気を出してくれやすいです。
そのうえで、二人で改善策を作っていきましょう。
ちなみに、同じことを繰り返してしまう時の改善策としては
などはこれまで私も新入社員に指導して実践し、いずれも一定の効果がありました。参考にしてみてください。
部下が成長しないと感じる時には
部下って自分の思ったように成長してくれることってほとんどないですよね。
私もこれまで何人か直接新入社員を指導したこともありますし、同じ部署にいる新人を見守ったこともあります。
ですが、こちらが思うように成長してくれる人はいません。
初めて指導した時こそ、思ったように成長しない部下にヤキモキしたり、自分の指導が間違ってるんじゃないかと不安になりましたが、今ではあまりそう思わなくなりました。
というのは、新入社員は遅かれ早かれ、立派に独り立ちしていくことが経験的に分かっているからです。
おいおい…と思う社員も立派に独り立ちして、時には「部下が成長してくれなくて悩んでいるんです」なんて言ってきます。思わず笑っちゃいます。
でも、当事者たちは目に見えなくても一歩ずつ成長しているものです。
時には一つのきっかけで一気に成長する子もいますが。
新人教育の時に何度も引用されることで有名な山本五十六さんの言葉を今一度引用します。
ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
そう簡単に人は成長しません。
指導している側からすると何でもないことも部下にとってはとてつもなく大変と感じていることはよくあります。
人だから成長するスピードも人それぞれです。上記の言葉にもあるように、人とは色々と手を尽くしてやっと少しずつ成長していきます。
成長しないと感じる時に自分の焦りや苛立ちをぶつけるのではなく、少しずつでも成長していると認めながら、指導を重ねていきましょう。
まとめ
新入社員に教えていると「自分も新人の時には先輩をヤキモキさせたんだろうなあ」と思わずにはいられません。
みんな最初の時は何かしら出来ないことがあるもの。新入社員と言えど立派な自分たちの仲間なので、引っ張り上げるというスタンスではなく、一緒に走っていくというスタンスでいくようにしていくと、指導も上手くいきやすいですね。