大学受験は上手くいく人だけではなく、上手くいかない人も当然います。
大学全入時代と言われ、大学さえ選ばなければ大学そのものには入れるといわれますが、一定の偏差値以上の大学や名の通った大学に入るにはまだまだ競争の中で戦っていかなければなりません。
私も現役の時に大学受験に失敗し浪人の道を選びました。浪人をするべきか、しないべきか?伸びる人と伸びない人の違いや浪人の時の不安をどう解消するのか?悩む人にお伝えしていきます。
浪人をするべきか、それともしないでおくか
浪人するときに迷いなく浪人の道を選べる人はなかなかいません。もちろん、現実問題として一つも大学に受からなかったり、逆にどうしても医学部に入りたいなど、最初からそれ以外の選択肢がない、という状態であれば別ですが、併願しているどこかの大学には行ける(あるいはこれから出願すればどこかには受かる)という方の方が多いはず。
浪人するときは心の葛藤があります。私が浪人するときに悩んだのはこんなことです。
こうした心の中の葛藤がありました。
もちろんいくら悩んだところで答えの出ないことの方が多いですし、結局は私の中で学歴コンプレックスも多少あったので、浪人して勝負をかけることにしました。
今このページをご覧頂いているあなたはかつての私と全く同じ状況ではないでしょう。
志望校だって違いますし、現時点での偏差値だって違いますし、もちろん家庭環境だって違います。ですが、浪人して幸いにも志望校には入れた今だからこそ、上記で上げたような色々な心の葛藤に私なりに答えを出すこともできます。
私なりのこれらの心の葛藤に関するアドバイスをお伝えしていきます。
浪人で伸びる人と伸びない人の違いはなぜ?
浪人するときにまず気になるのは「浪人しても学力は伸びるのか?」ということです。
私も現役高校三年生の時に担任の先生や塾の先生に「現役生は最後の方に伸びて、最終的には浪人生と学力で並ぶぞ!」と激励されていたわけですが、いざ自分が浪人する立場になると逆にその言葉が重荷になりました。
結論から言いましょう。
確かに浪人したとして、偏差値が思ったように伸びない人の方が多いです。残念ながら1年勉強したとしてもそれほど成績が伸びないのです。
でも一方でちゃんと成績を上げることができて、志望校に届く人もいます。この差って一体なんなんでしょうか?
私が浪人した時に成功した人の特徴を考えてみると、共通点が3つありました。
1つ目は「とにかくやれる」人。
2つ目は「自分が何をしなければいけないかわかっている」人。
3つ目は「気分の浮き沈みに流されない」人。
1つ目の「とにかくやれる」人というのは、結局のところ、浪人の一年間をコツコツと勉強しつづけられる人は一定以上は成果を出すことができるということです。
浪人を迷っている段階では信じられないかもしれませんが、浪人しても勉強しない人というのはかなりたくさんいます。
予備校に入ってみるとよくわかります。
最初の4月くらいは多くの人が授業に出ていたのに、ゴールデンウイーク、梅雨、夏休み・・・と段々教室から人が少なくなっていきます。
自習室も同じです。多くの人が最初だけです。
「この悔しさをモチベーションにやってやる!」と勉強の推進力をモチベだけに頼っている人は大抵1カ月で失速します。あるいは1回模試の点数が悪かったりすると途端にモチベが落ちて勉強しなくなります。
浪人して1年間勉強しつづけるというのはそんなに簡単なことではありません。モチベーションがあってもなくても勉強をし続けられる環境や習慣作りを出来た浪人生は強いです。
2つ目の「自分が何をしなければいけないかわかっている」人というのは、自分が浪人の1年間で何をどのように勉強していかなければならないのか、なんとなくでもわかっている人とわかっていない人では伸び方が違ってきます。
「センター英語で120点だったから1年で170点を目指す!」
不可能ではありません。でも、そのために何をどのような順番でやればいいか自分の中でわかっているでしょうか?
自分のチカラで戦略が立てられなければ、学校の先生や予備校の先生の力を借りて、戦略を立てるべきです。
センターレベルの単語力が不足しているのであれば、どの単語帳をいつまでにマスターして、記憶のメンテナンスはどれくらいのタイミングでするのか、文法力もどの分野の文法が弱いのか、そもそも弱い分野をあぶりだすために問題集からやるのか、どのレベルで、いつまでに?
ガチガチに計画を組み立てる必要はないですが、漫然と勉強すると自分が今何をやっているのかわからなくなって、焦りが出て来たり、点数が伸びてこなかったときに次の対策が立てられなくなります。
3つ目の「気分の浮き沈みに流されない」人というのは、1つ目のとにかくやるということと似ていますが、浪人中の気持ちの揺れにうまく対応できる人です。
よくある失敗例で「この1年間は何もかも我慢して勉強に明け暮れるぞ!」と考えているとあまりうまくいかないことが多いです(やり切れる人もたまにいますが)。それよりも適度に息抜きをしたり、体を動かしてリラックスしたりと1年間戦い抜けるようにした方が結果的に上手くいきます。勉強とリラックスのバランスをどのように確保していくかというのはとても大事なこと。
また、浪人中にモチベーションが下がる出来事にも平常心でいられるかどうかも大切です。
模試の点数が下がってしまった時、大学に進学した友人がフェイスブックでリア充活動を報告している時、家族に嫌味を言われた時やプレッシャーをかけられた時、色んな所にモチベーションを下げる要因が潜んでいます。
繰り返しになりますが、モチベーションに左右されずに勉強しつづける力も浪人生には試されています。
浪人した時の不安をどう解消する?
ほかの心の葛藤や不安についてもどう解消すればいいのか、ヒントをお伝えします。
浪人の不安その1:周囲の友人に馬鹿にされないか?
自分が思っている以上に周囲の友人は浪人に対して馬鹿にするようなことはないです。大学に進学する友人は1カ月もたてば大学生活のことに夢中でそんなに興味も持たれないでしょう。
ちなみに私は同じクラスの中では浪人する人が40人中2人という状態でしたが、特に不快なことを言われた(噂になった)ことはないです。
これを理由に浪人しないのはもったいないです。
浪人の不安その2:大学に入った時に浮かないか?
これも心配でしたが、浮きませんでした。というか大学になると色んな人がいすぎて紛れてしまいます。
大学に入った最初こそちょっと気を使いますが、後はもうほとんど関係ないです。ちなみに就職にもほとんど影響ありません。
浪人の不安その3:わざわざ浪人する意味はあるのか?
志望校から偏差値を下げた大学なら入れるけど、志望校にわざわざ行くよりも大学生活を頑張った方がいいのではないか?わざわざ浪人してまでその大学に行く意味はあるのか?という心の葛藤。
これに関しては正解はありません。
確かに大学生活を充実させれば、志望校に行かなくても上手くいくかもしれませんし、逆に現実問題として偏差値の高い学校の方が就職実績がいい傾向にあるのは事実です。
私は浪人して志望校に入って正解でした。
自分の波長と合う友人が多かったですし、その他にも色んないい出会いがありました。大学の勉強に関しては正直そんなに熱心ではなかったので何とも言えませんが、それでもわずかながら学んだこともありました。
ここは答えがありません。後悔しないように悩んでください。
浪人の不安その4:家庭の金銭面の余裕はあるのか?
これも各家庭の金銭面の話になりますが、何にせよ浪人するときは家族の協力は必要不可欠です。
話したくないかもしれませんが、家族には自分がどういう進路に進みたいのか、また、どうしても金銭的に難しい時に奨学金を借りる選択肢はあるのかどうかも考えておきましょう。
奨学金問題は最近話題になっています。
返せないという話もよく耳にします。私も借りていて、現在進行形で返済していますが、借りる額によってはなかなかいばらの道です。
浪人の不安その5:○歳の時に○学生というレールから外れる言いようのない不安
これまでは中学受験や高校受験があっても、なかなか周りの人と年齢がずれたり、一年おいて学校に入るという経験がない人が多いはず。いうなれば横並びで進んできたのです。
しかし、浪人するとその横並びから外れます。このことに何とも言えない不安を覚えてしまうこともあります。
今社会人になってしまえば、同じ道を歩む人はほとんどいないですし、それぞれの道を進んでいるのに何ら違和感はないのですが、浪人するときは気になるでしょう。でも、ある意味ではあなたは周りの友人よりも一歩独自の道を歩んでいるということでもあります。
上手くいったから言えるのかもしれませんが、私は浪人した1年間は自分にとってなくてはならない1年間でした。
ただ成績を伸ばすということだけではなく、自分と真剣に向き合って、ただひたすらに勉強するというのはとても大きな財産になりました。
もしタイムマシンがあっても、高校三年生の自分をアシストするつもりはありません。そのまま浪人させます。それくらい大切な一年でした。
ここまで浪人するときの不安や心の葛藤に対して、今の私なりにメッセージを送ってみました。悩むこともたくさんあると思いますが、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
浪人をするべきかどうか、判断のヒントとなるような伸びる人の特徴や不安の解消についてお伝えしてきました。
どのような選択であれ、自分の将来に関して真剣に悩むというのは大切なことです。自分の行動には自分しか責任が取れません。ぜひ、後悔のない選択をしてほしいです。