がんばる学生たち

浪人生活で辛いことと楽しいこと。一年で成長するのは学力だけじゃない

浪人した時の辛いこと楽しいこと成長すること浪人生活は辛いものとよく言われます。
私も大学受験に失敗し、浪人が決まった時は、悔しいやら恥ずかしいやらで始まる前から辛い気持ちしかありませんでした。

しかし、今振り返ってみると自分にとって必要な一年間でした。
もしタイムマシンがあっても過去の自分にそのまま浪人させるでしょう。

私の浪人生活を振り返って辛かったことと楽しかったこと、そして成長できた部分を考えてみます。

  

浪人生活で辛かったこと

浪人生活で辛いことは人それぞれです。
孤独が辛かったり、学力が思ったように上がらなかったりと浪人生を苦しめる罠がいたるところにあります。

私が浪人生活で特に辛かったのは自分のプライドとの戦いです。
私はそれまで自分の弱い姿、失敗した姿を他人に見られるのがとても嫌いでした。
しかし、浪人生になるということは大学受験に失敗したというレッテルを自ら貼って一年間過ごすことです。(と、当時は思っていました。)

特に私の在学していた高校は大学進学率も高く浪人する人はクラスで1名か2名くらいだったので、自分が浪人が決まった時や予備校に通っている時などは誰にも何にも言われてないのに惨めな気持ちになったものです。

また、親に対する申し訳なさもありました。お金の面でも負担になることがわかりながら甘えるしかないというのは、悔しいものです。

こうした自分の中のプライドとは一年間戦い続けました。
特に思ったように成績が伸びてこなかった夏ごろはまた同じ失敗を繰り返してしまうのではないかという不安自分はやればできるはずというプライドが崩れてきていてメンタル的にもかなり辛かったです。

浪人生活で楽しかったこと

一方で、浪人生活で楽しかったこともあります。
浪人生活は単調な日々の繰り返しに見えますが、結構自分の中では楽しさもありました。

私は家から電車で50分くらいかけて予備校に通っていたので、行きと帰りの電車の中で本を読むことができました。(電車の中では勉強はしませんでした。)
高校生活の中でも本は読んでいましたが、それでもこの浪人生活の間では5倍以上は読んだでしょう。
それくらい浪人生活で多くの本を読めました。本の世界に深く入っていくことができ、多くの面白い本を読むことができました。

また、予備校のある所がそこそこ大きな街だったので、そこでカフェ巡りをしたり散歩したりするのも楽しかったです。
カフェで勉強するのはいい気分転換にもなりました。

そして何より浪人生活で一番楽しかったのは勉強です。
え?って思うでしょう。
最初から勉強が面白かったわけではありません。秋ごろに急にストンとわかるようになってきて、そこからは勉強の中身を楽しむ余裕が出てきたんです。

英語も文章が読めるようになると一気に楽しくなってくるし、国語も古文や漢文が思い通りに文章を分解して説明できるようになると意のままに操る感じがあって楽しくなりました。
なにより一番楽しかったのは世界史です。私は現役の時はセンターで50点くらいだったのですが、浪人して世界史をしっかりやったら、世界の物事のつながりとか関連性がわかってきて一気に面白くなりました。
浪人生活の後半は勉強に疲れたら世界史をやる感じでした(笑)あと、クイズ番組もかなり強くなりましたね。

まさか勉強が楽しくなるとは思いませんでした。
でも、ある地点を超えると苦しかったことが楽しいことに代わるというのは今の人生にも役に立ってます。

浪人生活で得たこと

人の性格は簡単には変わらないと言います。
私もそうだと思います。しかし、きっかけがあれば人の性格は意外に変わるとも思います。私はそのきっかけが浪人生活でした。

正直浪人生活を終えるまでは偏屈な物の見方をしてしまう人間でした。
プライドが高く自分で周りに壁を作ってしまい、他人をまっすぐ見られませんでした。

しかし、浪人して一度自分の弱さが周りにばれてしまった状態で一年過ごすことによって、自分の弱さを周りに見せることにいい意味で抵抗がなくなってきました。
同時に、プライドに惑わされず自分がやるべきと思ったことをまっすぐにやっていれば、弱い部分と思っていた所が強い部分になるということもわかりました。

特に浪人生活は孤独です。
だからこそ、勉強を通して自分自身を深く見つめる時間になりました。私はこれまでの人生の中でこの浪人生活の1年ほど自分と静かに向き合えた時間はなかったです。

もちろん浪人する目的は学力を身に着け志望する大学に入学することです。
しかし、私は浪人生活の一年で志望校に合格したのと同じくらい自分自身が成長できたことが嬉しかったです。
なかなか自分の成長を自分でわかることってないですが、浪人の一年は成長できたと自信を持って言えます。

浪人して辛いことや楽しいことは人それぞれですし、得るものも人それぞれでしょうが、真摯に取り組めば、学力以上に得るものがあります。
回り道の一年ではなく、必要な一年になります。

これから浪人する方、今浪人している方が振り返って素晴らしい浪人生活だったと言えるように祈っています。