がんばる学生たち

家庭教師バイトでやり方に不安な人に伝えたい一番必要なコツとは?

家庭教師不安な時のコツ家庭教師や個別教師は学校の授業とはかなりやり方が違います。
バイトを始めたばかりの人はどうやって進めればいいのか、これであっているのか不安になることもあるでしょう。

私は家庭教師などの1対1の授業で一番必要な能力とは生徒といかに真摯に向き合えるかだと思います。

生徒と向き合うためには生徒の話をよく聞く必要があります。今回は阿川佐和子さんの「聞く力 心をひらく35のヒント」という本をもとに私が家庭教師をやるうえで大事だと思うコツをお伝えしていきます。
  

家庭教師バイトの教え方に正解はない

集団授業と個別指導の違いは何だと思いますか?私は集団授業は先生が作り、生徒がついていくもの。個別指導は先生と生徒が一緒に作り上げていくものだと思います。

集団授業も個別指導もある程度先生側の頭の中で授業の進め方を考えてから教えることになります。集団授業は先生が考えたシナリオを変えることはほとんどありません。だって、頻繁に変えていたら授業が成り立たないですからね。

でも個別指導は違います。生徒側は集団授業のように先生が考えたシナリオではスピードが速すぎたり、レベルが合ってなかったりと、何らかの不満があります。自分がうまくいくやり方を教えるのではなく、生徒に合った指導を考えていかなければなりません

教えることにとても熱心で情熱を生徒にぶつけてやる気を出させるような素晴らしい先生のように見えて、家庭教師や個別教師では苦労している姿を何度も見かけました。逆に本当にこの人が学生に教えることが出来るのかと疑ってしまうような物静かな先生が生徒や生徒の親から感謝の言葉を贈られている光景も見かけました。

もちろん熱心さや情熱は家庭教師として大事な要素ですし、そういった熱い気持ちは生徒の心を動かします。けれど、生徒が不安な気持ちになっていたり、話を聞くんじゃなくて、聞いてもらいたいという気持ちの時、こうした熱心さは時として無神経になります。

ではどうしたら家庭教師として良い授業が出来るのでしょうか?

家庭教師のバイトで不安な時

家庭教師のバイトであなたが不安を感じている時、生徒もまた不安を感じていることが多いです。

どうしたらこのような不安を解消できるのか?その不安を解消するカギこそまさに「聞く力」にあります。生徒の不安を聞いてみるのです。
と言っても「ねえねえ、何かわからないことがあったらいつでも言ってね」という言葉だけではとてもじゃないですが、生徒は不安な気持ちを話せませんね。

もっと生徒が心を開いてくれるようにいろんな話をしながら、少しずつ生徒が自分の思っている不安を打ち明けられやすいような土台を作っていくことが大事です。「聞く力」の本の中にある「相手の気持を推し測る」という章にはにはこんな一節があります。

どんなにまじめな話をするつもりでも、人間同士、とりあえず相手の気持を思いやる余地は残しておきたい。
(中略)
そういう気持ちを伝え、様子を測りつつ、こちらの聞きたいことをぶつけていかなければ、相手は聞き手に心を開きにくいだろうと思います。

あなたは普段教えている生徒がどんなことに夢中になっているか知っていますか?
最近、どんなことに腹を立てたのか知っていますか?
好きな芸能人のタイプを知っていますか?
なぜその部活に所属して何が面白く感じて、何が面白くないのか知っていますか?

自分の思っている核心部分はそう簡単には他人に話せないものです。ましてや生徒から見れば、先生という職業は「わからないと言ったら面倒に思われる」というイメージがあることが多いです。そうした気持ちを払拭するために目線を生徒に合わせて話をする必要があります。

家庭教師のバイトで意識したい聞き方のコツ

話を聞くときの聞き方のコツはいくつもありますが、家庭教師として話を聞くときによく失敗する例があるので、この本の言葉を借りていくつか紹介していきます。

家庭教師をやる時は相手の気持ちに寄り添うという意識があるため、よく「わかるわかる」といったような言葉を話すときがあります。でも、こうした「わかるわかる」という言葉を使い過ぎると「この人話聞いてないな」と思われます。「安易に『わかります』と言わない」という章の中の一節を紹介します。

ここで大事なことは、相手の気持ちと同じになろうとしないことかもしれません。似通った自分の経験を探り出し、その時の気持を重ねてみることは必要です。しかし、その経験とて、どれほど相手と似ているかは、誰にもわからないのです。
「わかるわかる」は、そもそも親切心から発せられる言葉に違いありません。でも、言い方を少し間違えると、あるいは安易に使うと、ときに傲慢と受け止められる恐れがあります。

「わかるわかる」という言葉自体が悪いわけではありません。生徒に共感を示すのはとても大事です。でも、生徒の機嫌を取ろうとして媚びるように使うのはNGです。真っ向から「わからない」と否定するのもおかしいですが、「そういう考えもあるんだ―。面白いね」みたいにうまくかわしながら会話を進めるのも大事です。

あと、もう1つ。話し上手の人が陥りがちですが、相手のテンポで話さず、自分のテンポで話してしまうという先生も多いですね。
生徒の中には思っていることや考えていることをうまく言葉にできない子もいます。そうした時に別の質問を重ねたり、自分の思い込みで言葉を補ったりすると、「本当は違うのにな~…」なんてことにもなりかねません。

じっと待っていると、相手の心や脳みそがその人なりのペースで動いていると感じられることがあります。決して故意に黙っているわけではない。
今、お相手は、ゆっくり考えているのだ。そのペースを崩すより、静かに控えて新たな言葉が出てくるのを待とう。その結果、思いもかけない貴重な言葉を得たことは、今までにもたくさんありました。

自分が主体となって話す場面、生徒に主体となって話してもらう場面。どちらかだけが一方的に主導権を握ることなく、二人のバランスのいいペースで勉強を進めていきましょう。

まとめ

今回は、家庭教師のバイトの進め方で不安を感じている人に向けてコツである「聞き方」のヒントをお伝えしました。

紹介した「聞く力 心をひらく35のヒント」は決して家庭教師や個別教師のための人の本ではありませんが、題名の通り聞くことに関する多くのヒントがちりばめられていて、それぞれエピソードも絡めながら紹介されていてとても読みやすい本です。

家庭教師や個別教師をやってみようと思う人や、不安だなと思う人には手に取ってもらいたいです。